ロケット事業は『2%』!?
宇宙業界でお金が動くホントのトコロ
業界解説2019.08.27
「宇宙業界で一番儲かってるのってどこだと思いますか?」
おそらく多くの人が『ロケット』と答えるのではないでしょうか?
かくいう私もその一人でした…
実はその『ロケット産業』の収益ですら全体たった2%
成長産業といわれる宇宙産業。
チャンスを逃さないためにも、お金が動くホントのトコロ見ていきましょう
宇宙産業ってどんなトコ?
毎年、宇宙業界の経済統計を発表しているBRYCEは宇宙産業を5つのカテゴリーに分けています。
- ロケット事業
- 衛星製造事業
- 地上設備事業
- 衛星サービス事業
- 政府出資の非営利事業
そのうち、非営利事業を除く収支内訳は下の図のようになります。
地上設備事業と衛星サービス事業が90%を占めており、衛星製造やロケット打ち上げサービスなどは10%にも満たないことがわかります。
ロケット産業の10倍以上の規模を誇る「地上設備事業」と「衛星サービス事業」。この2つが宇宙業界でお金が動くホントのトコロと言えそうです。
では、この「地上設備事業」と「衛星サービス事業」について簡単に見ていきましょう
地上設備事業
地上設備事業の主な内容としては、衛星との通信を行う通信設備の提供などです。2018年はGPSに代表されるようなGNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)との通信用チップなどの需要が伸びました。
また、大型通信設備の分野では、Amazonが、通信用アンテナのシェアリングサービスを開始するなど、安価に衛星との通信を行える環境が整いつつあります。
参考:AWS Ground Station (https://aws.amazon.com/jp/ground-station/)
衛星サービス事業
衛星サービス事業の内容は多岐にわたりますが、大きく、4つに分類されます。
- 衛星を介した通信全般(テレビ、インターネットなど)
- 観測(Google Mapなど)
- 研究
- 国家の安全保障
全体としては、衛星テレビなどの後退が響き前年度比では1.7%のマイナスとなっていますが、インターネット通信に関しては、大きな伸びを見せています(3-12%)。
華やかさから、ついついロケット事業にばかり目が行ってしまいがちですが、地上設備や衛星サービスなどの事業についても注視していきたいところです。
Twitterで共有する